2015年7月13日(月)
参加者:組合員さんとその家族13名 理事2名 ブロック委員2名 職員2名 合計19名
「被災地視察バスツアー(福島・浜通りコース)」で、草刈りのボランティアもしました!!
今回のツアーの開催目的
1.被災地の現状と復興を進める上での課題を現地視察を通して学び、今後の復興支援に生かすこと。
2.現地での買い物などを通して、被災地を買って応援すること。
視察先と内容
私達はバスに乗って、今年3月1日に全線開通した常磐自動車道を北上しました。バスの中で、今回のツアーについての説明、注意事項、自己紹介などをしながら、福島県へ入っていきました。
警察署となっている「道の駅ならは」
NPO 法人ハッピーロードネット事務所(楢葉町)
ハッピーロードネット事務所
原発事故後、復興に向けて心をつなぐシンボルとして浜通り地域の163㎞に渡り、2万本の桜並木を作る「ふくしま桜並木・桜プロジェクト」などの取り組みについて、代表の西本由美子様からお話を伺いました。
震災前に「福島を全国に誇れる地にしよう」と、地元の子どもたちと立てた企画が震災に見舞われて消えかけましたが、子どもたちとの約束を果たす為奮起し、植樹活動をスタートさせました。最後まで「桜」を植えたいと言っていた子が津波で亡くなってしまいましたが、天国で見ていてくれるという言葉が胸を打ちました。
また、ビデオで、浪江町、双葉町、大槌町、富岡町、楢葉町、広野町の様子を見せていただきました。理由がないと住人でさえ2ヶ月に1度しか入れない場所があり、あの3.11のままであることを知ってほしい、マスコミで流れていない現実があること、本当の姿を全国の人に知って欲しいと、西本さんは訴えていました。
除草した後の桜の木
その後、私達は事務所近くの桜並木の除草作業をしました。除草作業のボランティアがあるからと参加された方や、草取りが得意だという方もいらっしゃいましたが、桜の回りの草は私達の想像を越えたものでした。
桜の木を隠していたのは、 高さ1mくらいの茎の太い草で、草刈り鎌を手に約1時間悪戦苦闘しました。刈り払い機を使って作業された方もいて、桜の木の回り1.5mくらいを、手にキズを作りながら暑い中がんばりました。
いつか、ここで、桜の花見ができることを願います。
Jビレッジ(楢葉町)
J ビレッジにてピッチを眺める
本来は日本サッカーの発展を支え、男子・女子のエリート集団が育った地でありますが、今は復興の為の地して、全国の安全を守る拠点となっています。
建物の上からピッチを眺めると、作業員の方の駐車場になっていて、3千台の車が並び、遠くには火力発電所の3本の煙突が見えました。第一原発から20㎞のこの地で、必ずサッカーのできる日が来て欲しいと願いました。
旧居住制限区域の視察
富岡駅より遠くフレコンバックの丘を見る
・JR 富岡駅周辺
駅舎どころか、駅の面影もなく、ホームだと言われてそうかとわかりました。改札らしきところに慰霊碑があり、海の方向には黒い除染で出たフレコンパックが丘のように積み重ねられて、広がっていました。駅前の通りは津波が来た時のままで、崩れそうな家や、横になったままの車がありました。
帰宅困難区域のバリケード
・夜の森公園
夜の森駅は立ち入ることができませんが、桜並木はきれいな緑色をしていました。1本の道路を隔てて、帰宅困難区域と居住制限区域に分かれている地域を見学しました。どちらにも人は住んでいませんが、国の補償の違いで、お互いの関係にも影響が出たということを知りました。これも、ここで聞くと複雑な思いがしました。
除染作業
小名浜生協病院(いわき市)
ファースト・トラック・ファイバー
全国の生協などからの募金を利用して購入した「ファースト・トラック・ファイバー」(FTF)が設置されています。トラックに搭載されているので、仮設住宅にも出かけて行って検査することができます。
小名浜生協病院の工藤様から、バスの中で説明していただきました。FTFは、スクリーニングの機械で簡単に短時間(30秒)で放射能の測定が出来るそうです。今回、3人くらいの希望者が検査を受けました。草刈り作業後でも、検出されなかったとのことで安心しました。
いわき ら・ら・みゅう
いわきの特産品を集めた観光物産館です。震災で津波の被害を受け、放射能や風評被害の影響に苦労しながら元気に営業しています。1階はたくさんのお土産や特産品が並ぶお店があり、2階には再生可能エネルギーが期待できる「福島洋上風力交流センター」の展示室、東日本大震災の時の様子の展示がありました。災害時の津波の様子を映し出すビデオの前では、多くの方が立ち尽くして見ていました。あの時、テレビで放映されていたことなどの記憶が蘇ってきました。
被災当時の避難所を再現
※視察を終えて
昨年の11月、中通り地区(福島市)の被災地視察にも参加し、風評被害の中での復興に向けた取り組みを見てきましたが、今回の視察では、原発による被害を感じてきました。以前テレビで見たようなものものしさはなく、除染作業も黒いフレコンバックがなければ、造成作業でもしているかのように見えました。
原発に近いこの地では、津波と原発によるダブルの大きな被害が、未だに続いています。農産物は検査して出荷され、線量も出なくなり安心な場所になっていても、まだまだ理解されていません。4年が経っても変わらないままのこの場所で、全国から多くの人が訪れて、この地を離れて行った人も戻れる場所を作ろうとがんばっている方がいることに希望を感じました。
ハッピーロードネットの西本さんも、小名浜生協病院の工藤さんも「福島を忘れないで欲しい!」と言いました。茨城で被災した私は今は元の暮らしに戻っていますが、福島のことは何らかの形で応援して行きたいと思いました。
参加者からは、アンケートにてたくさんの感想をいただきました。
・原発問題は真剣に考えなければならない。
・個人では来れない所へも見学させていただき、ボランティアもできた。
・いろいろと感じさせられ、復興に努力していることに少しでも協力していきたいと思った。
・草刈りは大変でしたが、やった感がありました。車内での詳細な説明が大変勉強になりました。
・まだまだ続く原発事故との戦い、一日も早く安心して暮らせる日を願っています。etc. …
参加された多くの方が、今回の視察が有意義だったと言ってくださいました。生協の取り組みについても立派だとご賛同いただいています。
そして、買い物でもご協力いただき、たくさんのお土産を手に帰宅されて行きました。きっと、ご家族やお友達に、今日のことを伝えてくださることでしょう。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
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